お湯を冷やす(2)の中で使った式に現れる定数のうち,温度計の応答速度を表す定数であるαは温度を一定とした水の温度を測ることで調べることができる。というわけで、氷水を入れたガラス瓶を用意してほぼ常温を示している温度計を突っ込み,10秒ごとにその温度を測ってみた。
ポットを使うことも考えたけど,温度を測るために口をあけていると結構温度が下がるので,ここでは氷水を使うことにした.潜熱による熱容量の大きさがバッファになると期待.あとやってみて気が付いたのだけど,水の比重は4℃で最低になるので,うまく水と氷の量を調節して,かつかきまぜたりしなければ,底に近い所の水は常に4℃付近になる(冬の湖と同じ).
ガラス瓶の質量は135g(前回使用したのと同じビンなんだけど計るたびに値が微妙に変わるのは秤の精度がそこまでないため),実験は3回行い,水+氷の量はrun1で155g, run2,3で145g(同じ水+氷を続けて使用).室温は約22℃だった.
というわけで結果がこちら(Fig.1).0秒では温度計はほぼ室温を示していたのは確認したのだが,正確な値を記録していなかったのでプロットはしていない.
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Fig.1 氷水の温度を測った結果 |
run2だけ途中4℃からじわじわ温度が下がっているけれど,これは氷の量が多く,しかも途中温度計を動かしてしまい水が混ざってしまったためだろう.今は温度計の支持具が無いので手で持って測っている.これだと温度計の位置が安定しないし持ち替えるときなどに意図せずかきまぜてしまうので,次回は番線か何かで支持具を作ってみようと思う.
さて,ここで定数αを求める為,run1と3について,LibreOfficeの機能を使って実験結果を指数関数でフィッティングしてみた結果がこちら(Fig2, 3).グラフの横軸は経過時間(秒),縦軸は温度計の読みと水温(4℃)との差(℃)で,前回の仮定が正しければf(t)=A・exp(-αt)にフィットさせることができるはずである.
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Fig.2 指数関数によるフィッティングの結果(全データ使用) |
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Fig.3 指数関数によるフィッティングの結果(開始後60秒までのデータのみ使用) |
ちっとも合わない(-_-;とりあえずαの値は,全データを使用した時0.016 1/s,最初の1分のデータを使用した時0.04 1/s程度であったが,おおよその目安にはなるものの胸を張ってあってますとは言い難いなあ.ちなみにα=0.04とは,誤差が測り始めの1/10になるのに約1分かかるということを表している.
ところで,実験のあとで気が付いたけど,温度計の方を加熱あるいは冷却しておいて,常温に戻る様子を観察するほうが実験としては簡単だったかもしれない.というか次回にでもやってみよう.(←まだ続くのか
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